• Dr.Keiichi Kobayashi

大親分 F.ルーズベルト大統領

巷ではよくルーズベルト大統領は真珠湾攻撃を知っていてわざと日本に攻撃させた、と噂される。それが本当かどうかはともかく、ルーズベルトならその位の陰謀をしてもおかしくないと人々に信じられるような人格的雰囲気の人だった。やることすべて底がみえる単純な政治家が多い中で、世界を相手に陰謀を仕掛け、国益を追求できる頭の良い大統領を持てたアメリカは幸せだ。 皆さんは、ルーズベルト大統領がポリオで歩く事が出来なかって車椅子を使っていたのをご存知だろうか。ルーズベルトはそれをうまく隠しながら大統領選に出馬した。現存する数千枚におよぶルーズベルトの写真の中に車椅子の写真は1枚しかない。それは家族が個人的にとったもので、公の写真にはルーズベルトの障害者である証拠となるものはない。相当、この点に関して気にしていたらしい。 
ルーズベルトは東部の大邸宅に生まれ、中学まで家庭教師が教えていた大変な坊ちゃんだ。その後、東部の寄宿舎制の名門進学校にすすんだが、同年代の子と話した事のないルーズベルトは調整に苦しむ。この当時の同級生でルーズベルトのもっていたとてつもない天性の指導力に気がついたのは一人もいない。控えめでおとなしい奴という印象しか与えなかった。
ルーズベルトが豹変するのはハーバード大学に進学してからで、この頃からとてつもない政治家の才能を出し始める。
ルーズベルトは遠い親戚の女性と結婚するが、その人の叔父はセオドルルーズベルト大統領だった。身近に大統領がいたため、彼も政治の世界に入る。叔父は海軍次官を経てニューヨーク州の知事となり大統領選に出馬した。 フランクリンルーズベルトも同じ道をあゆみ、叔父よりも若く海軍次官となった。家は大金持ち、教育も最高、エリートコースまっしぐらで全てが順調だった。ところが人生絶好調の最中にポリオにかかり、歩けなくなってしまった。 歩けない人間が政治キャリアで成功する訳がないとルーズベルトは政治から引退し、社交界からも姿をけし、懸命なリハビリを行う。そして10年もの間、必死で努力し、息子に脇を抱えられながら数歩あるけるようにようやくなった。そこでニューヨーク州知事に当選し、ついに大統領選出馬にまでこぎつけた。歩けない事は、反対陣営の攻撃の的となるため、必死でそれを隠した。 時にアメリカは未曾有の経済危機で、失業者は数千万人に達し、建国始まって以来、国家が潰れる危険があった。共和党は政権を担当していたが、経済危機にどうしたらよいか、全くわからなかった。当時金融恐慌に政府がどうすべきなのか、経済学の学説も先例もなかった。そこに登場したルーズベルトは苦しむアメリカ国民の前に仁王立ちし、”俺の後について来い” と言ったのだ。ルーズベルトが取った経済政策は、今でいう大規模公共投資である。国民から税金を集め、その税金で国民を雇い、ダムや発電所を作った。おかげで失業者は減り、電気代、水道代が安くなり皆がたすかった。 時にヨーロッパではナチスドイツがアジアでは日本が侵略政策を実施していた。イギリスのチャーチルは助けてくれとルーズベルトに援助を要請。ところが、国は経済危機との戦いで、ヨーロッパの戦争に介入するどころではない。イギリスはドイツに降伏するのは時間の問題といわれた。 助けたいけど、経済が怖い。イギリスに駆逐艦や戦車を送ってやりたいけど、議会は猛反対する。しかたがないのでルーズベルトはイギリスに兵器を貸してあげるという奇想天外な事をした。お金がないんだから、イギリスに兵器を買ってあげるなんてとんでもありませんぞ、という議会に対し、いや、あげるんではなくて、貸してあげるんですといったのだ。ルーズベルトは喰えない政治家だ。当時、アメリカの陸軍はスエーデン並みといわれ、海軍も小さかった。ルーズベルトとしてはイギリスを助けたかったのだが、アメリカはその当時、対岸の火事に介入しなくてもよいといった世論だった。それを一気に救ったのが日本による真珠湾攻撃だった。アメリカの世論は一気にまとまり、日本およびドイツとの戦争ができるようになった。 ルーズベルトほど、天性の大統領はいない。彼は生きている間は大統領選で負けることはなかった。ルーズベルトは多期にわたって大統領をつとめ、彼の死後、大統領は2期までと制限が加わった。大金持ちのボンボンでエリート街道まっしぐらのあと、障害をもつようになり苦労したため、弱者の気持ちがよくわかるようになった。八百屋のおばちゃんから工事現場の労働者にいたるまで、人が大好きでおしゃべりに興じ、死ぬまで彼の周囲にはたくさんの人が賑やかに遊びにきていた。稀代の大政治家だ。


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