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ロナルド・レーガン大統領の巻

1980年代にアメリカに来たことのある人なら、入国審査の前ににこやかな笑顔のレーガン大統領の写真を目にしたはずだ。レーガン大統領の写真は笑顔が多く、感じがいい。こんな好感度の高い笑顔の人が大統領である国はさぞかし素晴らしい国なんだろうと、外国人に思わせるレーガン大統領は、その笑顔とは裏腹に、歴代大統領の中で最もタカ派で軍備拡張論者であった。 レーガン大統領は、強いアメリカを訴え、空前の軍備拡張をした。レーガン以前の大統領は皆、核軍縮交渉を行い、軍備削減に努力したのだが、レーガンは生ぬるいと軍縮を蹴り、核戦争も辞さない猛烈な軍拡を行った。その結果アメリカは、世界で存在感が増し、世界秩序は安定。 ソ連はアメリカが軍拡すると、仕方なく軍備を拡充しはじめたが、あまりの猛烈なアメリカの軍備拡張に経済が追いつかずソ連は崩壊してしまう。レーガン大統領は戦争の準備をして、皮肉にも平和を得てしまう。ここらへんが、レーガン大統領の変なところだ。 もう一つ変なところをあげると、経済政策がおかしい。アメリカは第二次世界対戦前からルーズベルトら民主党大統領が 大規模公共投資政策で経済を良くしようとしてきた。つまり、税金を沢山とって、ダムや橋など皆が助かるようなモノをつくり失業者を雇用していたのだ。ところでレーガンは共和党だ。共和党といえば大規模な減税を行う政策で、民主党の大規模公共投資政策の真反対。御多分に洩れずレーガンは大規模な減税を行った。しかし、ちょっとまてよ、アメリカ軍の軍備拡大はどうするのだろうか。税金は下げ、税金は使う? ようするに、あまり後先を考えずに、やりたいようにやってしまった、というのが真相らしい。 その結果どうなったかというと、たしかに減税した直後はアメリカ政府の財政は火の車となったものの、数年すると減税により景気が好転して国民の所得が増え、税収が増加したのだ。いやはや、この人はついてる。 こうして、税金を沢山とり、貧しい人に分けるという民主党の政策、反対に税金をとらないで民需を起こし景気回復をねらう共和党の減税政策、歴史上両方とも実験されそれなりの効果をえる事がわかった。皆さんは、どちらがお好きでしょうか。


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